運営について

社会の未来を良くしていきたい。
未来を担う人たちを支援できることはないか。
そんな思いを持った人が集まっています。

設立への思い

現在の日本は、閉塞感に覆われていると言わざるを得ない状況です。これには、さまざまな要因が考えられると思いますが、日本という国自体に志がないことが根本の原因ではないでしょうか。日本として世界人類の発展・成長にいかに貢献していくのか、1人の日本人として、そのような志を抱く日本にいかに貢献していくのか。このような志を持つことができれば、僕らを取り巻く日々の汲々とした小さな生活に囚われることなく、日本全体を覆う閉塞感を打破する一歩になると信じています。

国際社会では、いまだに独善的な権威主義、拝金主義が跳梁跋扈しています。また、日本国内に目を転じると、経済合理性や効率性のみがもてはやされ、何か目に見えない大事なものがおろそかになっているのではないでしょうか。

さらに、行き過ぎた能力主義の結果、日本国内では格差が拡大しています。持つものと持たざるものの差が顕著になってきているのです。この格差の背景には、生まれた環境やそれに伴う学習の機会が大きく左右しているとされます。したがって、教育格差の是正こそが、日本の再生の大きな活力になるのではないかと考えます。

具体的には、子供の学力には、子供自身の能力よりも、家庭の社会経済的地位(Socioeconomic status:SES)によって決まっていると言われています(松岡亮二(2019)、「教育格差」、ちくま新書)。SESとは、親の所得や学歴、職業など、経済的、文化的、社会的な要素を統合した概念で、SESが高いほど子どもにとって教育に有利な条件といえます。例えば、親が大卒か否か、親の年収、家の蔵書数、都心部に住んでいるか等は子供の学力の相関関係があることが証明されています。

僕自身は、一般家庭の地方出身者ですが、本当に運良く大学まで進学することができ、都内で何不自由なく暮らすことができています。他方、地元の友人たちを見ると、一杯一杯で生活しています。環境や運という、自分ではどうすることもできない環境で、このような差がつくことに不条理を禁じ得ません。現代の日本社会は、明治新政府以降から、能力主義に重きをおいてきました。能力主義により、士農工商といった身分制度の撤廃の結果、労働者人口の増加による富国強兵の実現に寄与し、現在の日本があります。しかしながら、現代の日本を鑑みると、行き過ぎた能力主義により、国民の中で格差が生じています。能力主義が依拠している「能力」は、自分ではどうすることもできない環境に大いに影響されることが判明しているにもかかわらず、取り残された人々に対し、その人の自己責任だから仕方がないというような風潮を変えていかねばなりません。

日本は、現在、未曾有の国難にあります。少子高齢化が進む中において労働人口はますます減少します。能力主義により、持たざる人々は社会に閉塞感を感じています。この現状を打破することが、これまで社会に埋没していた層を日本社会の幹となる部分に流入させることになります。これは、明治新政府で士農工商制度を撤廃したことと同じくらいの社会的インパクトがあると考えます。

自分の経験を社会に貢献し、日本を活性化させたい。そのためには、既に恵まれた層ではなく、環境という要因のみで埋没してしまっている一人一人に着目し、この層が社会で活躍できる仕組みを作りたいと思ったことが、きっかけです。教育という側面から、日本を良くしていきたい、日本のために尽くしたいという志を共有できる人とともに進めていきたいです。さあ、一緒に行動しましょう。

塾頭 田中智大

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